本プロジェクトは、単にドキュメントを増やすことを目的としたものではない。背景にあるのは、以下のような構造的な課題である。
これらは、個々の担当者の努力不足によるものではない。仕組みとして、知識が蓄積・共有・更新される前提が存在していなかったことが本質的な問題である。
本プロジェクトでは、この状況を「個人の頑張り」で解決するのではなく、仕組みとして再現性のある状態を作ることを目的とする。
本プロジェクトにおけるナレッジマネジメントの基本思想は、次のとおりである。
本プロジェクトでは、システムG向けと利用者向けの2つの異なる情報資産を管理する。
この2つは対象者が異なるため、内容も作成方法も異なる。混在させることなく、独立して管理する。
ナレッジは、最初から整理されている必要はない。問い合わせ対応や調査の過程で得られた情報を、一次情報として残すことを最優先とする。
重要なのは、「個人の中だけに留めない」ことである。
一方で、マニュアルは無制限に増やすべきものではない。マニュアルは業務の基準となる文書であり、以下を前提とする。
これらを満たせないものは、マニュアルとして扱わない。
すべての情報において、正本は1つだけ持つことを原則とする。
この原則により、情報の不整合と更新漏れを防ぐ。
Single Source of Truth(以下、SSoT)とは、「その情報について、唯一正しいとみなす情報源を1つに定める」という考え方である。
本プロジェクトでは、以下を原則とする。
SSoTを定めない運用では、次の問題が必ず発生する。
これを防ぐため、「どこに正本があるか」を明確にすること自体をルール化する。
本ハンドブックは、以下に関する最上位のSSoTである。
本ハンドブックの記述と他の文書が矛盾する場合は、本ハンドブックの記述を正とする。
本プロジェクトでは、「完璧さ」よりも「継続できること」を重視する。
ナレッジやマニュアルは、使われ、更新され続けて初めて価値を持つ。そのため、本ハンドブックにおいても、以下の思想を貫く。